来月からのハイシーズンに備えて、村では急ピッチで工事が進んでいます。
シーズン前は、ホテルすら営業していない所も多く、夏のシーズンで1年分稼ぐという、日本の、海の家方式です。
私が住む廃墟ホテルも、工事が盛んになり、犬達も、駐車場の砂の上で寝れなくなっています。
しかも、天気予報では10日間ぐらいずっと雨。
360日晴れると言うキャッチコピーは、どこ行った。
バルコニーから犬達を観察すると、ジョシーと銀ちゃんは、腹を空かせてるような動きをしている。
餌を持って、7階から駆け下りた。
運動不足解消の為、毎日何往復もエレベーターを使わない。
おかげで、カモシカのような足になって来た。
銀ちゃんは大型犬なので、地面に餌を置くと、食べ辛いから、ダイニングテーブルで、ゆっくりと食べる。
相変わらずジョシーは、食べるよりも遊びたいようだ。
こんな陽気なジョシーは、買い物に付いて来て、帰りも必ず一緒に帰ってくるのだが、絶対に近寄らないエリアがある。
先日も、離れず付いてきたジョシーが、そのエリアに差し掛かってから、立ち止まって、行きたいけど、、、、、ここで、さよなら~みたいな態度になった。
しばらく歩いて、ジョシーはどうしてるのか振り返ると、ベンチに上り、申し訳なさそうに尻尾を振っている。
そのエリアのボス、アムニがいるのだ。
うちのアムザと同じ所に傷を持つ、若いオス。
アムザに似ているから、アムニ。
アムザよりも一回り大きいから、60㎏はあるだろう。
態度もふてぶてしく、自信に満ちている。まるでライオンだ。
既にキャサリンは、アムニを舎弟にしている。
一緒に歩ていると、別の大型犬がやって来た。
しかし、アムニの顔を見るなり、ゴロンと横になり服従の姿勢をして見せた。
しかし、アムニは、戦車の如く突進し、ギャンギャンに噛みつき攻撃し始めた。
急所攻撃も始めたので、止めないとあの犬は殺されてしまう。
私は、大声と、大きく手を打ち鳴らした。
バスを待ってるおじさんも、大声で止めるよう叫んだ。
やっと、アムニをこっちに向かせた。
そして、ようやく攻撃を止めたが、やられた大型犬はしばらく立てなかった。
川の真横だったので、下に落ちなくて本当に良かった。
大型犬の喧嘩を見た事無い人は、おそらく泣き叫んだだろう。
そんな激しい殺し合いのような喧嘩だった。
しかし、野良犬の世界には、彼らなりのルールがある。
あまり人間が、入り込んでもいけない。犬だけど、野良犬は野生動物なのだから。
先日、少し遠くのスーパーに歩いて行った時、アムニが案内してくれた。
スーパーの前に、たむろしていた、やんちゃな野良犬3頭。
アムニの顔を見ただけで、あっという間に、尻尾を丸めてビクビクしながら逃げ回った。
ホテルのセキュリティが、どでかいパンをあげると、美味しそうに食べるアムニ。
見てこの面構え。
彼が、住みつくホテル駐車場は、車上荒らしなど絶対ないと思う。しない方が良い。必ず噛み殺される。このパンのように、ぐちゃぐちゃになるのは確実だ。
彼は、群れには属さない、ジョージアとトルコ国境の最強のセキュリティドッグだ。